接触角計・表面張力計の測定のコツ
- 表面張力の低い液での接触角測定
- 静電気を帯びたサンプルへの対処法
- 測定画像の背景に影がある場合
- 反射光が強く、水滴の画像が見えなくなる場合
- 反射がない場合
- 使用する液量について
表面張力の低い液での接触角測定
表面張力が低い液を使用すると、 針先の外周部に濡れ拡がってしまい、 下の写真の右側事例のようにうまく液滴を作成できないことがあります (写真はエタノールを使用)。
対策としては、フッ素コートされた太い針を使用する事で液滴を作成しやすくなります。
簡易な方法として、左写真のように針の先端に短く切ったテフロンチューブを取付ける事で代用も可能です。
静電気を帯びたサンプルへの対処法
サンプル(PTFE)が静電気を帯びてしまうと、右の動画のように水滴がうまくサンプルに付着しません(ワークに付着する直前に針から飛んだように落下しています)。
場合によっては、視野角の外に着液することもあり安定した測定とは言えません。
簡単な対処法として、除電ブラシなどでサンプルを数回なぞってやるだけで解消することができます。
除電後は、除電前の動画と異なりサンプルへの着液がスムーズになり、針の直下で測定することができました。
測定画像の背景に影がある場合
背景に影がある場合、
設定シート(ライブビューモニタ右上)→【解析(側面)】タブをクリック後、
エッジ検出項目の液体検出レベルを下げます。
※ライブビューモニタ左側【2値化表示】アイコンをクリックする事で、2値化表示に切り替わります。液滴が背景と分離しているか確認することが可能です。
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修正前
左側の端点が、水滴の端点ではなく背景の一部を端点と誤って認識しています。
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修正後
エッジ検出項目の液体検出レベルを下げることにより、本来の水滴の端点を認識しました。
反射光が強く、水滴の画像が見えなくなる場合
LEDライトの光量を下げてあげれば、画像が認識されます。
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修正前
背景のLEDが強いため、液滴の下部分および着液面の画像がホワイトアウトしています。
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修正後
背景のLEDライトの光量を下げたため、着液付近の画像を捉えることができています。
反射がない場合
設定シート(ライブビューモニタ右上)→【解析(側面)】タブをクリック。
接触角解析項目の無反射を選択。
※端点がずれる場合、エッジ検出項目の固体検出レベルを変更。
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無反射(修正前)
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無反射(修正後)
使用するシリンジの液量自体が1ミリリットルですので、1ミリリットルあれば十分です。接触角測定の場合、実際の付着液量はおよそ数μリットルです。CCDカメラの普及で極少量の着液量で液滴の挙動を観察できるようになりました。
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