ステージヒーターの温度分布データ
いつもお世話になっております。
突然ですが、今回のコラムをご覧いただいている御客様の中に「固体側試料を昇温させた状態での濡れ性測定」の御経験がある方はいらっしゃいますでしょうか?
御経験がある方はご存じと思いますが固体試料の昇温にはステージヒーター、又はホットプレートと呼ばれるものを使用するのが一般的です(呼称が異なるだけで物は同じです)。
写真1、2が弊社で御用意しているステージヒーターの写真になります。
写真1が接触角計、他装置兼用品。写真2が接触角計専用品となります。
サイズにつきましても大面積の物と小面積の物をご用意しております。
大面積・・・・と言いましても弊社の接触角計自体がコンパクト設計になっておりますので、100mm×100mmのサイズです。試料を昇温させて濡れ性測定する際にはその温度分布を一様にさせることが望ましいのは言うまでもありません。そして固体試料の温度分布を一様とするにはステージヒーターの温度分布が重要になります。
ステージヒーターの温度分布にムラがあれば、それは昇温させている固体試料にも影響を及ぼすからです。時間さえかければ温度は一様になるのですが、待ち時間が長いのはちょっと・・・・。
高温になればなるほど昇温時間かかるので、測定はなるだけスムーズに行いたいものです。
そこで今回のコラムでは弊社で御用意しているステージヒーターの温度分布のデータをご紹介させて頂こうと思います。
温度測定ポイントは、図1の通りです。
ステージヒーター(大面積タイプ) 温度分布
ヒーター仕様
- ステージサイズ:100mm×100mm
- ステージ材質:A5052P
- 表面処理:アルマイト処理品
性能検査
昇温開始から10分時点で測定。測定箇所5ポイント。
測定ポイント | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
測定温度 | 237℃ | 239℃ | 239℃ | 236℃ | 237℃ |
温度分布=(max温度-min温度)÷(max温度)=(239℃ー236℃)÷239℃
≒1.26%
ステージヒーター(小面積タイプ) 温度分布
ヒーター仕様
- ステージサイズ:75mm×50mm
- ステージ材質:ステンレス
性能検査
昇温開始から10分時点で測定。測定箇所5ポイント。
測定ポイント | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
測定温度 | 241℃ | 237℃ | 242℃ | 236℃ | 238℃ |
温度分布=(max温度-min温度)÷(max温度)=(242℃ー236℃)÷242℃
≒2.48%
以上のような結果となりました。大面積タイプは冒頭で書いたように他装置との兼用品です。昇温開始から10分時点での測定になりますので、温度分布はある程度ラフな感じにならざるを得ませんが、通常の研究開発では、支障はないかと思われます。もちろんより温度精度を上げた分布下での測定をご希望の場合は、ご要望いただければ出来る限りのご対応はさせていただきます。
もし昇温条件下での濡れ性測定をお考えの御客様で本コラムをお読みいただいた際にはぜひとも一度、あすみ技研までご連絡ください。
それでは今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
(T.S)