三態系測定キットが新しくなりました

いつもお世話になっております。あすみ技研、接触角計コラム担当のTSです。今回のコラムは「測定のコツ、ポイント」ではなく、新しくなった三態系測定キットのご紹介をさせていただこうと思います。使いやすくなるように改良を試みて最近完成しました。これが新しい三態系測定キットになります。他社では「液中接触角測定用アクセサリ」とか呼ばれていたりもします。

界面接触角計測定用三態系キット
写真上がリバース用途タイプ。写真下が通常用途タイプ。

弊社では今まで界面張力測定用のガラスセルを三態系測定時にも使用していましたが、ガラスセルがやはり小さく三態系測定の際にはやりづらさが否めませんでした。下画像がそれです(今まで三態系測定で装置をレンタルしていただいた御客様は御苦労されたと思います・・・)。

従来の三態系キット
従来の三態系キット

従来の三態系キット

外寸:W24.0×D24.0×H30.0mm

内寸:W20.0×D20.0×H28.0mm


そこで界面張力測定時に使用するガラスセルを使用するのではなく、専用の容器とそれに合わせた治具を用意して三態系測定を行う御客様にもっと簡単に測定をしていただけるようにしました。ガラスセルに比べてだいぶ大きくなりましたが、その分使いやすさは格段に良くなりました。自信をもっておすすめいたします。ちなみにですが針形状に変更はありません。今後、御客様の反応次第では改良するかもしれませんが・・・。それでは以下、詳しくご紹介させていただきます。今回も最後までよろしくお願いします。

それではここから新しい三態系測定キットについて詳しくご紹介していきます。

三態系測定キットの治具はステンレス製ですが、磁性を持っているステンレスを使用しています。つまりマグネットが使用できますので測定対象の固体試料を両面テープ以外にもマグネットで固定することが可能です。但し耐食性は一般的なステンレス(SUS304)と比べて若干劣りますので念のため使用後は洗浄、拭き取りをお願いします。

フィルムを付けた様子。界面接触角測定用治具

次に新しい三態系測定キットのセル(容器)についてですが、今回の物はアクリル製となっています。改良当初はガラス製で考えておりましたが製作のしやすさと費用を考慮して今回アクリル製としました。アクリル製なので万が一破損した場合に再製作もしやすく、御客様をお待たせすることもないだろうという考えで採用しました。

ちなみに写真では位置関係が分かりにくいと思いますので、イラスト化してみました(通常の液-液タイプ。比重の異なる2種類の液体と固体の接触角測定)。ディスペンサから吐出される液滴のほうが比重が重い場合の測定方法です。

3態系キットイラスト(通常タイプ)

それでは最後に実際に装置にセット、測定をした場合にどうなるかを写真でご紹介します。

新界面接触角測定用治具

拡大してみます。

新界面接触角測定用治具 拡大

いかがでしょう?と言っても三態系測定に馴染みのあるある方は少ないと思いますが・・・。

使用感としてはコラム冒頭でも書いた通り、前に比べて格段に測定がしやすくなりました。容器が前のガラスセルは□20mmサイズに対し、今回は74mm×27mmなので測定ポイントの確保も容易です。また治具に気泡がついてしまい、測定ができない状態になったとしても容器が大きいため気泡の除去作業も簡単に行えます。これならばストレスなく測定が行えると思います。もし三態系測定をお考えの御客様がいらっしゃいましたら、ぜひ一度お問合せください。ご連絡をお待ちしております。それでは今回も最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

(T.S)