転落角の判定について
皆さん、こんにちは。あすみ技研、接触角計コラム担当T.Sです。今回は傾斜法測定の転落角の判定についてです。
転落角測定の際、液滴が動いたと判定する基準は前進角とするべきしょうか?後退角とするべきでしょうか?
こちらについては当社では「後退角基準」としております。
こう答えますと当然「なぜ?!」という疑問を持たれる御客様もたくさんいると思いますので、以下にツラツラと理由を書いていこうと思います。それでは今回もどうぞよろしくお願いします。
後退角を基準とする理由は前進角が動き出したとしても後退角が動いているとは限らないからです。つまり前進角が動き出したとしてもそれは液滴が変形して前部分のみが動いている可能性が
あるからです。ちょうど良い画像があったので載せますと・・・
図1-1、図1-2と図2-1、図2-2を見比べていただくとご理解いただけると思います。図1の方は前進角、つまり液滴の前部分が動いているのがわかると思いますがスライムのように伸びています。後退角、つまり後ろの部分は全く動いていないんですね。これは動いているとは判定しません。
今度は図2の方を見てください。液滴の変形はありますが、ちゃんと後ろ側も動いているのがわかりますよね。当社ではこの状態を液滴が動いたと判定いたします。
正直、言葉でツラツラと書くよりも画像を見ていただいたほうがう目瞭然ですね。あとは液滴がどれくらい動いたら転落したかという基準のことがありますが、それはまた別の機会に触れたいと思いますので今回はこのあたりで。
それでは今回も最後までお読みいただきましてありがとうございました。次回もよろしくお願いします。
(T.S)
P.S ちなみにあすみ技研製のソフトでは、絶対「後退角基準」でしか測れないという訳ではありません。
写真のようにソフトウェアで、チェックを外していただければ、「前進角基準」でも測定可能です。もし操作がわからない場合は、お気軽にお問い合わせください。