身近な物の接触角 Ⅰ
いつもお世話になっております。あすみ技研、コラム担当のT.Sです。
今回は少し測定方法とか装置の細かいところから離れまして、身近な物の接触角ってどれくらいなのか測定してみようという内容です。YouTubeでいうところの「やってみた動画」ならぬ「やってみたコラム」です。
それでは今回もどうぞよろしくお願いします。

ヨーグルトのフタの接触角
みなさん、ご存じでしょうか?実はあるヨーグルト製品のフタの裏側が超撥水であることを・・・。接触角計業界(?)では、大変話題になりました。御存じなかった方は「ヨーグルト 超撥水」のキーワードでググると出てきますのでぜひ参照お願いします。下にもリンクを貼っておきました。

実際測定すると・・・・・↓

すごくないですか。ホントに丸くてプルプルです!!
静的接触角が150°近辺の値ですと高撥水、超撥水と呼びますが正にこれがそれです。なんか感動ですね~。肉眼では確認はできませんが、フタの裏面表面がフラクタル構造化されているそうです。「ロータス効果」と呼ばれるものですね。これについては、ちょっと長くなるかもしれませんのでまた別の機会に。
布ガムテープの表面と粘着面
梱包作業でよく使う布ガムテープですが、あれも水をよくはじきます。じゃあそれを接触角で見たら、どれくらいなんでしょうか?また表面と粘着面で差はあるんでしょうか?
実際測定すると・・・・・↓


表面側で90.89°、粘着面側で99.55°という結果でした。粘着面側の測定はテープが貼り付けられないために測定面が波打ってしまってなかなか大変でしたがなんとかって感じです。表面と粘着面側では接触角で約9°の開きが出ました。今回の結果だけを見ると粘着面の方が撥水性は良さそうです。この撥水性能のおかげで封をした段ボールが雨で濡れた時も平気なんですね。
紙ガムテープの表面と粘着面
布ガムテープやったら、紙ガムテープもでしょ、ってことで紙ガムテープもやってみました。私のイメージでは紙の方がはじく気がしなくもないですが、皆さんはいかがでしょうか?
実際測定すると・・・・・↓


表面側で111.08°、粘着面側で104.36°という結果でした。粘着面側の測定は布同様、苦戦しました。布ガムテープも紙ガムテープも触った感触は全然違いましたが、静的接触角測定での撥水性評価では表面側、粘着面側共に紙ガムテープの方が撥水性能優となりました。予想的中です。
ビニールテープの表面と粘着面
なんでしょう・・・なんかテープばっかですよね~。でもまぁ・・・とりあえず測定します。ビニールテープはガムテープよりもはじきそうですよね~。さて、どうでしょう・・・・・。


ガムテープと同じような感じかなあと思っていたんですが、表面の接触角については87.16°で
布ガムテープと紙ガムテープよりも低いという今回の結果・・・。意外とやってみないとわからないもんですね。粘着面の撥水性については接触角107.06°で布ガムテープと紙ガムテープを抜いて最も撥水性能優の数値となりました。
(T.S)