接触角計とは
接触角計とは、固体に付着した液滴をCMOSカメラ等を用いて水平面から観察し、固体と接する液体の接線との角度を計測する装置です。
接触角計の仕組み
パソコンが普及する以前は、目視(目でファインダーを覗いて、分度器を用いて数値を読み取る)するタイプでしたが、2000年前後よりCMOSカメラやパソコンの普及により、目視ではなくデジタル画像を取り込むことにより、着液後自動で解析するものが一般的になりました。
従来の目視タイプでは、作業者により角度の読みがばらついたり(特に10度以下の濡れ性の良い接触角の測定では、目視では非常に困難です。)、付着させる液量を多くしないと目視できないといったデメリットがあります(着液量が多いと液滴の自らの重さで接触角が小さくなる傾向があります)。
現在主流のタイプは、ファインダーの代わりにCMOSカメラで着液画像を取り込み、モニターに拡大像を写し出します。複数の人が同時にモニター上で観察することができ、情報の共有が簡単にできます。また目視タイプと異なり、着液した様子をデジタル画像で残すことも簡単にできます。
派生タイプとして、動的接触角を測る装置や、大きなワークに対応したものなどがあります。
装置の基本構成について(静的接触角測定)
接触角計本体の基本的な構成については、水滴を作るためのマニュアルディスペンサ(針、シリンジなどで構成)、ワークを置くためのステージ、観察用のレンズ/CMOSカメラ、バックライトとなります。こちらと解析用PCを組み合わせて使用します。
装置の基本構成について(動的接触角測定)
動的接触角測定は、手法により装置構成が大きく異なります。
例えば、拡張収縮法の場合は、通常静的接触角測定に用いられる装置に液滴の拡張収縮を制御するユニット(オートディスペンサー)を組み合わせ測定します。
一方、滑落角測定に用いられる装置(傾斜法)は、静的接触角測定用装置自体を傾斜させるユニットを接続させたものが通常の構成となり、比較的大きくなります。下記のイラストは滑落法測定を測定するための装置構成になります。